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違約金(損害賠償額の予定)

 

違約金とは、債務の不履行があった場合に債務者が債権者に支払う旨をあらかじめ約束した金銭のことで、民法第420条に規定されています。この違約金は、賠償額の予定と推定され、裁判所は原則としてその額を増減することができないとされていますが、あまりに過大な損害賠償の予定(違約金)や強い立場を利用して一方的に不利益を与える場合には公序良俗(同法第90条)によりその一部または全部が無効とされます。

 

フランチャイズ契約では、フランチャイジーによる契約違反(商標の不当使用、秘密保持義務・競業避止義務違反、その他フランチャイジー側の一方的な都合等)により契約の解除や中途解約がなされる場合に、違約金が発生する旨の規定が契約書におかれていることが多いと言えます。この規定により、フランチャイザーは、自身の有するビジネスモデル、アイディア、ノウハウ等を得るためだけに加盟してくるフランチャイジーを排除したり、中途解約において、フランチャイジーの違反行為による損害額を立証することなく損害賠償請求ができるからです。

 

違約金の額は「○○万円」として一定額を定めたり、ロイヤリティの○○ヶ月分と定めることが一般的ですが、判例上、違約金規定の趣旨、金額、フランチャイジーによる義務違反の程度、フランチャイザー側の対応、中途解約に至った経緯等を考慮してその有効性について判断されます。

 

また、フランチャイズ契約上の違約金の規定が有効であっても、フランチャイジーの義務違反が違約金を課す程の違法性がないと判断されることもあり、裁判所はフランチャイザーによる一方的な違約金規定に厳しい判断をする傾向にあります。

 

以上により、フランチャイザーは、フランチャイジーの義務違反を疑った場合であってもまずはフランチャイジーと直接話し合いをしたり、催告書によって改善申入れをする等して、いきなり解約権を行使するべきではないと言えるでしょう。

また、中途解約に至った場合でも、それが立地条件の変化やフランチャイザーによる支援・指導の不適切さ等フランチャイジーの責任によらない理由による場合には、解約違約金を規定通りに徴収するべきではないと言えます。

 

フランチャイザーは解約違約金条項の内容が公序良俗に反しないか、またフランチャイジーに一方的に不利益を与える内容になっていないかを精査しなければなりません。

 

 

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